妊娠中のお口のトラブルについて
妊娠中は、ホルモンの影響やつわりなどの体調不良により、お口のケアが難しくなることが想定されます。
特に、以下のお口のトラブルに注意が必要です。
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- 虫歯と歯周病
- つわりによって口腔清掃が困難な場合や、食べつわりによる間食時間の増加など、お口の衛生環境が悪化することがあります。また、つわりによる嘔吐がある場合には、胃酸によって歯の表面が溶けることで、虫歯や歯周病になりやすいリスクがあります。
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- 妊娠性歯肉炎
- つわりによって口腔清掃が困難な場合や、食べつわりによる間食時間の増加など、お口の衛生環境が悪化することがあります。また、つわりによる嘔吐がある場合には、胃酸によって歯の表面が溶けることで、虫歯や歯周病になりやすいリスクがあります。
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- 妊娠性エプーリス
- 妊娠期間中にホルモンの影響で、歯茎に赤い腫れや痛み、出血を伴う良性の腫瘍ができることがあります。
これは、一時的なもので自然と吸収され消失していきます。
妊娠中にトラブルを防ぐために
妊娠中も、通常と変わらない丁寧な口腔ケアを行うことが原則です。
起床後、食事前に歯を磨くことや、ブラッシングができない場合には、
フッ化物が入った洗口液によるうがいを行うことも効果的です。
つわりにより口腔ケアが難しい、妊娠してから歯肉からの出血がある、
歯茎にできものができたといった症状がある場合には、
まずはマタニティ歯科を受診されることをお勧めします。最適なケアの方法をお伝えし、
妊娠期間にあった治療をご提供しております。
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- 妊娠初期の治療
- 妊娠に気づく4週以降にあたる妊娠初期は、影響を受けやすい時期のため、12週まではお口の状況確認と、歯磨き指導までにとどめています。痛みや腫れといった急性症状には適宜対応しておりますが、お母さんと赤ちゃんの安全を第一に、治療は安定期に入ってから行うことをお勧めします。
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- 妊娠中期・安定期の治療
- 妊娠中期のいわゆる「安定期」と言われる時期には、虫歯や歯周病といった一般歯科治療を行うのに適した時期です。レントゲン撮影や麻酔、投薬も他の期間と比べて安全に行うことができます。
妊娠初期に応急処置としていた歯の治療や、歯周病の改善などを行います。
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- 妊娠後期の治療
- 28週以降の、妊娠後期はお腹が大きくなるため、治療中に体勢の維持が難しくなる時期です。仰向けの姿勢によって、静脈が圧迫され血圧の低下を起こしやすくなります。治療の侵襲によるストレスが起因となる早産などのリスクを回避するためにも、この期間は応急処置のみの対応とし、出産後に治療を再開することをお勧めしております。
よくある質問
- Qレントゲンは問題ないですか?
- A歯科治療で使用するお口のレントゲン撮影は、赤ちゃんがいるお腹から距離があり、撮影範囲も最小限に限られています。また、医科で行われる撮影よりも被曝線量は大幅に少ないためご安心ください。撮影時には、防護用のエプロンを装着し、安心して撮影をすることができます。また、レントゲン撮影によるストレスを最小限とするため、一般歯科治療と同様に、必要な場合に限り撮影しております。
- Q薬は飲めますか?
- Aお腹の赤ちゃんの安全を第一に、お母さんにストレスを与えないためにも、基本的に妊娠中はお薬の処方をできるだけ控えております。
しかし、痛みや腫れといった炎症が強い場合や、細菌感染がある場合には、妊娠時期や状態を考慮し、安全性が高いと認められたお薬を処方しておりますので、安心して服用ください。
妊娠前に処方された痛み止めや抗生剤といったお薬をお手持ちの場合もあるかと思いますが、自己判断せずに医師や歯科医師、薬剤師に相談の上、服用するようにしましょう。
- Q麻酔はできますか?
- A歯科治療で使用する局所麻酔は、適正な量を使用する際、母子ともに心配するような影響はありません。
痛みによるストレスがかえって妊娠中のお身体に問題となることも想定されますので、痛みがある場合は我慢せずにお伝えください。安全に配慮した対応を行っております。